この記事は高校 1 年生専用です。
高校 2、3 年生はこちらの記事で説明していますので、チェックしてみてください。
2022年度より、教育課程が「新課程」に切り替わりました。
『赤チャート(数研出版)』の「新課程」と「旧課程」の違いや、どちらの参考書をやるべきかなどわかりやすく解説していきます。
問題数や難易度、到達点や偏差値をわかりやすくまとめているので、参考書を選ぶ際の参考にしてください。
目次
1. 新課程と改訂版の違いは?
「新課程」とは、教育課程が新しくなることです。教育課程とは、学校で習う内容です。
教育課程は教育カリキュラムとも言うので、「新課程」は「新カリ」とも言われています。
例えば、
「高校数学の教育課程が変わる」
「高校数学が新課程になる」
「高校数学が新カリになる」
これらはすべて
「高校数学の授業で習う内容が変わる(新しくなる)」
ということです。
教育課程は10年に1回くらい変わります。
変わったときに出るのが、「新課程」ということになります。新課程が出たタイミングで今までの教育課程のものは「旧課程」と呼ばれるようになります。
新課程でも何年も続くと入試の傾向も変わるので数年でアップデートされます。
これが改訂版です。
したがって、新課程と改訂版は大きな変化はありませんが、新課程と旧課程は全く異なるので注意してください。
2. いつから新課程になる?
2022年から新課程になります。
したがって
2022年現在の高校 1 年生は「新課程」です。
2022年現在の高校 2、3 年生は「旧課程」です。
「新課程」に変わったからといって、高校 2、3 年生が「新課程」を学び直すことはありません。
高校 2、3 年生はそのまま「旧課程」を学んでいき、大学受験の範囲も「旧課程」で出題されます。
高校 1 年生は「新課程」で学んでいき、大学受験の範囲も「新課程」で出題されます。
3. 新課程と旧課程の比較
受験に必要な科目のみに注目して「旧課程」と「新課程」を比較します。
・数Cが復活
・数A「整数の性質」が消滅
・数B「ベクトル」が数Cに移動
・数III「平面上の曲線と複素数平面」が数Cに移動
したがって、「旧課程」と「新課程」では学ぶ内容が違うので、
2022年現在の高校 1 年生は「新課程」の参考書を購入してください
2022年現在の高校 2、3 年生は「旧課程」の参考書を購入してください。
また、参考書やネットの記事で「新課程」というものがあっても、10年近く前の「新課程」の可能性があります。
「新課程」でも、参考書の発売日やネットの記事の内容が古かったら、旧課程の可能性があるので注意してください。
4. 赤チャートの基本情報
通称「赤チャ」。
「チャート式」とは、網羅系の参考書の中で最も使用されており、高校数学の参考書を代表するシリーズです。学校の副教材としても配られています。
『赤チャート』はチャート式の中で最も難易度が高い参考書になります。

通称 | 赤チャートIA |
タイトル | チャート式 数学I+A |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 512ページ |
タイプ | 網羅系(インプット) |
5. 赤チャートの難易度
チャート式は色で段階的にレベル分けされています。
白チャート<黄チャート<青チャート<<赤チャート
の順に難易度が高くなっています。
表紙 | レベル | 偏差値 |
![]() |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
![]() |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
![]() |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
![]() |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
偏差値は、1冊やりきるのに必要な数学1科目の目安です。
6. 赤チャートの内容構成
チャート式は色によって、問題レベルの呼び方が異なります。
呼び方は異なりますが、基本的には同じ内容構成です。
基本例題1問に対して、類題1問。
発展例題1問に対して、類題1問。
章末に、EXERCISESという名前の入試演習問題。
プラスαで、『青チャート』と『赤チャート』は入試標準レベルの総合問題。
の構成となっています。
チャート式の内容構成
タイトル | 基本例題 | 応用例題 | 例題の類題 | 入試演習 |
白チャート | 基礎例題 | 発展例題 | EX | EXER |
黄チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
青チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
赤チャート | 例題(青) | 例題(赤・黒) | 練習 | 演習問題 |
7. 赤チャートの問題数
タイトル | 例題 | 練習 | 演習等 | 合計 |
赤チャートIA | 360題 | 230題 | 150題 | 740題 |
意外かもしれませんが、『青チャート』より問題数は少ないです。
『青チャート』より重複している問題が少なく、より難易度の高い問題が厳選されています。
『青チャート』との一番大きな違いは参考書の内容構成です。
『白チャート』、『黄チャート』、『青チャート』は例題、例題の類題、入試演習のEXERCISESで構成されています。『赤チャート』はEXERCISESはなく、演習問題があるだけです。
この演習問題はEXERCISESより難しく、『青チャート』の総合問題と同じレベルです。
8. 赤チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値70~80 |
全統模試(河合塾) | 偏差値65~75 |
到達点(国立) | 上位国立 |
到達点(私立) | 最難関 |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が90点以上 |
自分の今の実力と志望する大学に合わせて、背伸びすることなく選ぶことが大切です。
決して、自分のレベルに合わない色を選ばないでください。
チャート式が終わってから次の参考書に進むことを考えれば、自分に合った色を1冊完璧に仕上げる方が次の問題集に接続しやすく、1冊解き終えたという自信にもつながります。
『赤チャート』を部分的にやる人より、『青チャート』を1冊完璧に仕上げた方が数学はできるようになります。
『赤チャート』は最難関大学を目指す人以外必要ありません。
9. 赤チャートを解く前は?
『赤チャート』は基礎レベルが定着していれば解き始めることができますが、最難関の受験生を対象としているため、解説が少なめです。
『赤チャート』が難しく感じてしまう人は、チャート式の色が合っていません。『青チャート』にレベルを落としてください。
10. 赤チャートを解いた後は?
『赤チャート』を解いた人は
『プラチカ』
『やさしい理系数学』
『上級問題精構』
に進んでください。
