この記事は高校 2、3 年生専用です。
高校 1 年生はこちらの記事で説明していますので、チェックしてみてください。
このページでは、大学受験におすすめ参考書『黄チャート(数研出版)』の解説をしていきます。
問題数や難易度、到達点や偏差値をわかりやすくまとめているので、参考書を選ぶ際の参考にしてください。
目次
1. 黄チャートの基本情報
通称「黄チャ」。
「チャート式」とは、網羅系の参考書の中で最も使用されており、高校数学の参考書を代表するシリーズです。学校の副教材として配られています。

通称 | 黄チャートIA |
タイトル | チャート式 解法と演習 数学I+A |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 480ページ[別冊解答352ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |

通称 | 黄チャートIIB |
タイトル | チャート式 解法と演習 数学II+B |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 624ページ[別冊解答504ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |

通称 | 黄チャートIII |
タイトル | チャート式 解法と演習 数学III |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 424ページ[別冊解答400ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |
2. 黄チャートの難易度
チャート式は色で段階的にレベル分けされています。
白チャート<黄チャート<青チャート<<赤チャート
の順に難易度が高くなっています。
『緑チャート』は、『白チャート』、『黄チャート』、『青チャート』、『赤チャート』の網羅系参考書と異なり、共通テスト対策専用の参考書ですが、使用する人も多いので比較に載せておきます。
難易度は、『黄チャート』くらいです。
白チャート<緑チャート≦黄チャート<青チャート<<赤チャート
表紙 | レベル | 偏差値 |
![]() |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
偏差値は、1冊やりきるのに必要な数学1科目の目安です。
3. 黄チャートの内容構成
チャート式は色によって、問題レベルの呼び方が異なります。
呼び方は異なりますが、基本的には同じ内容構成です。
基本例題1問に対して、類題1問。
発展例題1問に対して、類題1問。
章末に、EXERCISESという名前の入試演習問題。
プラスαで、『青チャート』と『赤チャート』は入試標準レベルの総合問題。
の構成となっています。
チャート式の内容構成
タイトル | 基本例題 | 応用例題 | 例題の類題 | 入試演習 |
白チャート | 基礎例題 | 発展例題 | EX | EXER |
黄チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
青チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
赤チャート | 例題(青) | 例題(赤・黒) | 練習 | 演習問題 |
4. 黄チャートの問題数
文系
タイトル | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
黄チャートIA | 282題 | 282題 | 244題 | 808題 |
黄チャートIIB | 376題 | 376題 | 324題 | 1076題 |
合計 | 658題 | 658題 | 568題 | 1884題 |
理系
タイトル | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
黄チャートIA | 282題 | 282題 | 244題 | 808題 |
黄チャートIIB | 376題 | 376題 | 324題 | 1076題 |
黄チャートIII | 253題 | 253題 | 208題 | 714題 |
合計 | 911題 | 911題 | 776題 | 2598題 |
『チャート式』は圧倒的な問題数を誇る数学の網羅系参考書となっています。
『チャート式』が分厚くて挫折してしまう人は、『基礎問題精講』を何周も解いて入試問題の基礎レベルを身につけた方がいいです。
5. 黄チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値55~65 |
全統模試(河合塾) | 偏差値50~60 |
到達点(国立) | 中堅国立 |
到達点(私立) | GMARCH |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が50点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が60点以上 |
偏差値55~60の高校 | 定期考査の数学が70点以上 |
偏差値50~55の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
自分の今の実力と志望する大学に合わせて、背伸びすることなく選ぶことが大切です。
決して、自分のレベルに合わない色を選ばないでください。
『白チャート』、『青チャート』は、こちらで詳しく説明しているのでぜひチェックしてみてください。
6. 黄チャートの使い方
チャート式は圧倒的な網羅性のため、文系なら1900題、理系なら2600題解かなければいけません。
その分厚さに毎年大多数の人が途中で挫折してしまいます。
受験は人生で1度きりのため、この教訓が生かされることなく、毎年大量の犠牲者が新たに出ます。
そこでチャート式は辞書的に使うことをおすすめします。他の問題集等でわからない問題に出くわしたときに、辞書代わり使ってください。
また、見栄や誤った情報に流されて、自分のレベルに合っていない色のチャート式を選択する人が跡を絶ちません。
チャート式が終わってから次の参考書に進むことを考えれば、自分に合った色を1冊完璧に仕上げる方が次の問題集に接続しやすく、1冊解き終えたという自信にもつながります。
『青チャート』を部分的にやる人より、『黄チャート』を1冊完璧に仕上げた方が数学はできるようになります。
『黄チャート』は
1冊やりきれる人
辞書的に使う人
におすすめします。
7. チャート式はいつから始める?
教科書レベルの基礎が定着したら、いつでも解き始めることができます。
受験勉強は、正しいレベルの参考書を選ぶことができれば、「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはありません。
3年生の夏休みからの購入はおすすめしません。遅くても3年生の夏休みまでには終えるようにしてください。
難関校を目指す人は、高校1、2年生の間にIAIIBを終え、次の参考書に進む学習計画を立ててください。
8. 黄チャートを解く前は?
『黄チャート』が難しく感じてしまう人は基礎が定着していません。新しい参考書を買う必要はありません。
高校の教科書や副教材で基礎を固めることから始めてください。
9. 黄チャートを解いた後は?
『黄チャート』を何周もして習得したあとは、
『1対1対応の演習』
『標準問題精講』
に進んでください。
『標準問題精講』は問題数が多く挫折する可能性が高いです。
個人的には『1対1対応の演習』がおすすめです。


