数学Ⅰ

【数学雑学】2=1の証明(0で割れない理由)

このページでは、「2=1の証明」について解説しています。

0で割れない理由を、具体的にわかりやすく解説していきます

少しでも数学に興味を持てるきっかけになれば嬉しいです。

【数学雑学】2=1の証明 0で割れない理由

 

1. 2=1 の証明

問題

\(2=1\) を証明せよ。

証明

21証明

有名な証明問題です。

どこが違っているのかわかりますか?

 

正解は、「④  両辺を  \(a-b\)  で割る」です。

 

なぜなら、\(a=b\)  と仮定しているので  \(a-b=0\)  です。

数学は 0 で割ってはいけないのです。

 

この証明問題は、2008年に虚構新聞に掲載された記事です。

虚構新聞なので嘘の記事ですが、よくできた証明問題ですね。

 

それでは、なぜ 0 で割ってはいけないのか考えてみましょう。

 

2. 0で割ってはいけない理由(中学生向け)

\( 4÷2=2 \hspace{25pt } ⇒ \hspace{25pt } 4=2×2\\ \\
6÷2=3\hspace{25pt }⇒\hspace{25pt }6=3×2\)

このように割り算は、掛け算で表すことができます。

 

それでは

\( \bbox[#D9D9D9, 2pt, border:]{3÷0=x} \)

を考えてみましょう。

0 で割ると何になるかわからないので、\(x\) とします。

 

同じように割り算を掛け算に変換すると

\( 3÷0=x \hspace{25pt } ⇒ \hspace{25pt } 3=x×0\)

\(\hspace{107pt }\color{#ef5350}{3=0}\)

 

\(3=0\) になって矛盾します。

 

3. 0で割ってはいけない理由(高校生向け)

\( 1÷2 \hspace{25pt } ⇒ \hspace{25pt } \displaystyle{\frac{1}{2}}\\ \\
1÷3\hspace{25pt }⇒\hspace{25pt }\displaystyle{\frac{1}{3}}\)

のように割り算は分数で表すことができます。

0 で割ってはいけないということは、分母が 0 になってはいけないと言い換えることができます。

 

それでは

\( \bbox[#D9D9D9, 2pt, border:]{1÷0} \)

を考えてみましょう。

 

例えば、\(y=\displaystyle{\frac{1}{x}}\) のグラフを考えてみます。

数Ⅲ

y=1/x のグラフ

y=1/x のグラフ

それでは、\(x=0\)  のときはどうなるでしょう。グラフを見てください。

 

y=1/x のグラフ 

 

\(x=0\)  は存在しないのです。

 

4. 問題を解くときに気を付けること

0 で割ってはいけないことがわかりましたか?

数式を見たときは、常に 0 の可能性を考えなければいけません。

高校数学の分野でいくつか例を出します。

 

例えば、

\( \bbox[#D9D9D9, 2pt, border:]{\displaystyle{\frac{x^2+3x+2}{a-1}=3}} \)

という  \( x \)  の方程式を見たときに、すぐに  \( \bbox[#D9D9D9, 2pt, border:]{a≠1} \)  という条件が思いつかなければいけません。

 

例えば、

両辺をxで割ることがいけない理由

としてはいけません。

 

xでくくる

\( x=0 \) の可能性があるので、 \(x\) でくくらなければいけません。

 

0 の可能性は常に意識しましょう。

 

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