このページでは、大学受験におすすめ参考書『チャート式(数研出版)』の解説をしていきます。
問題数や難易度、到達点や偏差値をわかりやすくまとめているので、参考書を選ぶ際の参考にしてください。
目次
1. チャート式の基本情報
「チャート式」とは、網羅系の参考書の中で最も使用されており、高校数学の参考書を代表するシリーズです。学校の副教材としても配られています。
2. チャート式の難易度
チャート式は色で段階的にレベル分けされています。
白チャート<黄チャート<青チャート<<赤チャート
の順に難易度が高くなっています。
『緑チャート』は、『白チャート』、『黄チャート』、『青チャート』、『赤チャート』の網羅系参考書と異なり、共通テスト対策専用の参考書ですが、使用する人も多いので比較に載せておきます。
難易度は、『黄チャート』くらいです。
白チャート<緑チャート≦黄チャート<青チャート<<赤チャート
表紙 | レベル | 偏差値 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
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【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
偏差値は、1冊やりきるのに必要な数学1科目の目安です。
3. チャート式の内容構成
チャート式は色によって、問題レベルの呼び方が異なります。
呼び方は異なりますが、基本的には同じ内容構成です。
基本例題1問に対して、類題1問。
発展例題1問に対して、類題1問。
章末に、EXERCISESという名前の入試演習問題。
プラスαで、『青チャート』と『赤チャート』は入試標準レベルの総合問題。
の構成となっています。
チャート式の内容構成
表紙 | 基本例題 | 応用例題 | 例題の類題 | 入試演習 |
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基礎例題 | 発展例題 | EX | EXER |
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基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
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基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
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例題(青) | 例題(赤・黒) | 練習 | 演習問題 |
『白チャート』、『黄チャート』、『青チャート』は例題、例題の類題、入試演習のEXERCISESで構成されています。『赤チャート』はEXERCISESはなく、演習問題があるだけです。
この演習問題はEXERCISESより難しく、『青チャート』の総合問題と同じレベルです。
4. チャート式の問題数
文系
表紙 | 例題 | Ex | EXER等 | 合計 |
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268題 | 268題 | 300題 | 836題 |
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335題 | 335題 | 390題 | 1060題 |
合計 | 603題 | 603題 | 690題 | 1896題 |
表紙 | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
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282題 | 282題 | 244題 | 808題 |
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376題 | 376題 | 324題 | 1076題 |
合計 | 658題 | 658題 | 568題 | 1884題 |
表紙 | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
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329題 | 329題 | 293題 | 951題 |
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420題 | 420題 | 331題 | 1171題 |
合計 | 749題 | 749題 | 624題 | 2122題 |
表紙 | 例題 | 練習 | 演習問題等 | 合計 |
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354題 | 354題 | 164題 | 872題 |
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435題 | 435題 | 187題 | 1057題 |
合計 | 789題 | 789題 | 351題 | 1929題 |
理系
表紙 | 例題 | Ex | EXER等 | 合計 |
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268題 | 268題 | 300題 | 836題 |
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335題 | 335題 | 390題 | 1060題 |
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223題 | 223題 | 252題 | 698題 |
合計 | 826題 | 826題 | 942題 | 2594題 |
表紙 | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
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282題 | 282題 | 244題 | 808題 |
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376題 | 376題 | 324題 | 1076題 |
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253題 | 253題 | 208題 | 714題 |
合計 | 911題 | 911題 | 776題 | 2598題 |
表紙 | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
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329題 | 329題 | 293題 | 951題 |
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420題 | 420題 | 331題 | 1171題 |
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293題 | 293題 | 298題 | 884題 |
合計 | 1042題 | 1042題 | 922題 | 3006題 |
表紙 | 例題 | 練習 | 演習問題等 | 合計 |
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354題 | 354題 | 164題 | 872題 |
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435題 | 435題 | 187題 | 1057題 |
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320題 | 320題 | 127題 | 767題 |
合計 | 1109題 | 1109題 | 478題 | 2696題 |
文系はIAIIB、理系はIAIIBIIIまでやるとして
四捨五入してまとめると…
表紙 | 文系 | 理系 |
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1900題 | 2600題 |
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1900題 | 2600題 |
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2100題 | 3000題 |
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1900題 | 2700題 |
『チャート式』は圧倒的な網羅性のため、その分厚さに毎年大多数の人が途中で挫折してしまいます。
1冊やりきる自信がなければ、他の問題集等でわからない問題に出くわしたときに、辞書代わり使ってください。
『チャート式』は
1冊やりきれる人
辞書的に使う人
におすすめします。
5. チャート式の対象者
5.1 白チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値50~60 |
全統模試(河合塾) | 偏差値45~55 |
到達点(国立) | 下位国立 |
到達点(私立) | 日東駒専 |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が40点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が50点以上 |
偏差値55~60の高校 | 定期考査の数学が60点以上 |
偏差値50~55の高校 | 定期考査の数学が70点以上 |
5.2 黄チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値55~65 |
全統模試(河合塾) | 偏差値50~60 |
到達点(国立) | 中堅国立 |
到達点(私立) | GMARCH |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が50点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が60点以上 |
偏差値55~60の高校 | 定期考査の数学が70点以上 |
偏差値50~55の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
5.3 青チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値60~70 |
全統模試(河合塾) | 偏差値55~65 |
到達点(国立) | 上位国立 |
到達点(私立) | 上智理科大 |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が60点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が70点以上 |
偏差値55~60の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
偏差値50~55の高校 | 定期考査の数学が90点以上 |
5.4 赤チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値70~80 |
全統模試(河合塾) | 偏差値65~75 |
到達点(国立) | 上位国立 |
到達点(私立) | 最難関 |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が90点以上 |
6. チャート式の注意点
自分の今の実力と志望する大学に合わせて、背伸びすることなく選ぶことが大切です。
決して、自分のレベルに合わない色を選ばないでください。
『チャート式』は圧倒的な網羅性のため、その分厚さに毎年大多数の人が途中で挫折してしまいます。
受験は人生で1度きりのため、この教訓が生かされることなく、毎年大量の犠牲者が新たに出ます。
また、見栄や誤った情報に流されて、自分のレベルに合っていない色のチャート式を選択する人が跡を絶ちません。
チャート式が終わってから次の参考書に進むことを考えれば、自分に合った色を1冊完璧に仕上げる方が次の問題集に接続しやすく、1冊解き終えたという自信にもつながります。
『青チャート』を部分的にやる人より、『黄チャート』や『白チャート』を1冊完璧に仕上げた方が数学はできるようになります。
7. 青チャート?黄チャート?
数研出版の出している難易度表です。
問題数は、『黄チャート』なら文系で1900題、理系で2600題、『青チャート』なら文系で2100題、理系で3000題です。
『青チャート』と『黄チャート』は被っている問題が多く、難易度もさほど変わりませんが、1番の違いはExercisesです。
『黄チャート』は例題とExercisesの難易度の開きが小さいです。
『青チャート』は例題とExercisesの難易度の開きが大きいです。
例題と演習題だけやるのであれば『青チャート』を使う意味はありません。
むしろ問題数が少ない『黄チャート』で十分です。
また、『青チャート』の後に、アウトプット用の入試演習参考書をやろうとしている場合も、通過点なのでどちらを使っても変わりありません。
偏差値55~60の高校で、『青チャート』を副教材として使っている場合も、数学が得意な一部の人を除いて必要ありません。
体感として『青チャート』を使用している人の半数以上は必要ないと思っています。
『青チャート』はExercisesが解答をみれば理解できる人におすすめします。
自分のレベルに合った色を選んでください。
それが、『青チャート』なら最高の参考書になります。レベルが合わなければ効果は半減します。
8. チャート式はいつから始める?
教科書レベルの基礎が定着したら、いつでも解き始めることができます。
受験勉強は、正しいレベルの参考書を選ぶことができれば、「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはありません。
3年生の夏休みからの購入はおすすめしません。遅くても3年生の夏休みまでには終えるようにしてください。
難関校を目指す人は、高校1、2年生の間にIAIIBを終え、次の参考書に進む学習計画を立ててください。
9. チャート式を解く前は?
『チャート式』が難しく感じてしまう人は基礎が定着していません。新しい参考書を買う必要はありません。
高校の教科書や副教材で基礎を固めることから始めてください。
10. チャート式を解いた後は?
『チャート式』を何周もして習得したあとは、網羅系参考書でインプットした解法を、入試演習の参考書でアウトプットしてください。
個人的には『1対1対応の演習』がおすすめです。