数学Ⅱ

【高校数学Ⅱ】微分係数の定義と導関数の定義(公式・覚え方・計算方法)

このページでは、数学Ⅱ「微分法」の「微分係数の定義」と「導関数の定義」をまとめました。

定義の覚え方、問題をわかりやすく解説していきます。

問題集を解く際の参考にしてください!

微分係数と導関数 アイキャッチ

 

1. 微分係数とは

微分係数とは接線の傾きのことです。

公式

微分係数 公式

 

この公式は、2つの部分に分解することができます。

微分係数 公式 説明

それぞれ「微分係数」「平均変化率」と言います。

 

平均変化率とはなんでしょうか?

 

2. 平均変化率とは

平均変化率とは傾きのことです。

中学では、傾き、変化の割合、 xの増加量 yの増加量 テキストといいました。

高校では、平均変化率といいます。

微分係数 平均変化率 傾き 

平均変化率

 

2点 \( (2,3)、(6,9)\) を結んだ赤線の傾きを見てみましょう。

\(\color{#0000ff}{x}\) の増加量は、ヨコにどれだけ進んだか考えると \(6-2=\color{#0000ff}{4}\) 

\(\color{#008000}{y}\) の増加量は、タテにどれだけ進んだか考えると \(9-3=\color{#008000}{6}\) 

 

傾きは xの増加量 yの増加量 テキスト なので、 \(\displaystyle\frac{\color{#008000}{6}}{\color{#0000ff}{4}}=\color{#ef5350}{\frac{3}{2}}\) となります。 

 

次に、 \(\displaystyle y=\frac{1}{4}x^2\) 上の2点 \(\ (2,1)、(4,4)\) の平均変化率をみてみます。

微分係数 平均変化率とは

 

 

それでは 、\( y=f(x) \) のグラフに2点とって平均変化率(傾き)をみてみます。

 

\( y=f(x) \) は複雑に感じますが、やり方はいつもと同じです。

 

例えば…

\( y=x+1 \) のグラフは 

 \( x=1 \) のとき \( y=1+1=2 \)

 \( x=3 \) のとき \( y=3+1=4 \)

 

\( y=f(x) \) のグラフも同様に \( x \) に値を代入します。 

 

\( y=f(x) \) のグラフは

 \( x=1 \) のとき \( y=f(1) \)

 \( x=3 \) のとき \( y=f(3) \)

 \( x=a \) のとき \( y=f(a) \)

 \( x=a+h \) のとき \( y=f(a+h) \)

 

となります。

 

 

それでは 、\( y=f(x) \) 上の2点 \(\ (\ a,f(a)\ )、 (\ a+h,f(a+h)\ )\) の平均変化率(傾き)をみてみます。

微分係数 平均変化率 説明 

 

3. lim とは

微分係数の公式の lim について説明します。

 

 \( \displaystyle \lim_{ x \to 1 } x \)

リミットと読みます。リミットは英語で「極限」を意味する単語です。

リミットの下の \(x →1\) は、「\(x\) の値を限りなく \(1\) に近づける」という意味です。

lim 極限

 

 \( \displaystyle \lim_{ x \to 1 } x \)

意味は「\(x\) の値を限りなく \(1\) に近づける」

計算方法は「\(x\) に \(1\) を代入する」

となります。

 

4. 微分係数と接線の傾き

平均変化率、lim を説明しました。

なぜ、微分係数接線の傾きになるのでしょうか?

 

微分係数 平均変化率 説明 

 

このグラフの \(h\) を限りなく \(0\) に近づけていきます。

 

微分係数 極限 接線

 

 \(x\) 座標の \(a+h\) の \(h\) が \(0\) 近づいていくと、\(a+h\) は \(a\) に近づいていきます。 

2点を結ぶ赤線は下に降りていきます。

 

微分係数 接線 極限

 

 \(h\) が \(0\) に限界まで近づいたとき、赤線は \( x=a\) における接線の傾きになります。

 

微分係数 傾き 接線 極限 平均変化率

 

5. 微分係数の定義

微分係数の定義

微分係数 公式

微分係数の定義に従って、問題を解いていきます。

 

問題

\(定義に従って、次の\ x\ における微分係数を求めよ。\\ \\
(1) \ \ f(x)=2x-3\ \ \ \ (x=0) \\ \\
(2) \ \ f(x)=x^2\ \ \ \ \ (x=1) \\
\) 

解き方

微分係数 問題 定義 解き方

(1)の解答

微分係数_問題(1)

(2)の解答

微分係数 問題(2)

問題文に「定義に従って微分係数を求めよ」と書かれていたら、このように解きます。

微分係数の定義

 

6. 導関数とは

 導関数とは

\( f(x) \) を微分したものを導関数といいます。

 

たとえば…

\( f(x)=2x^2+3 \)

 

導関数は \( f(x) \) を微分したものなので

\( f'(x)=4x \)

 

となります。

 

導関数は \( f'(x)=4x \) のように関数(文字の入った式)になります。

ただし、\( f(x) \) が1次式の場合は値

\( f(x)=2x \)

\( f'(x)=2 \)

 

このように、導関数は簡単に求めることができます。

しかし、定義に従って導関数を求める場合は、「導関数の定義」を使う必要があります。

 

7. 導関数の定義

導関数の定義

 導関数の定義

 

導関数の定義とは微分係数の定義の \( a \) を \( x \) に変えたものです。

 

 微分係数から導関数

 

実際に「導関数の定義」を使って問題を解いていきます。

問題

\(定義に従って、次の導関数を求めよ。\\ \\
(1) \ \ f(x)=3x\ \ \ \  \\ \\
(2) \ \ f(x)=x^2\ \ \ \ \ \\
\) 

解き方

導関数の定義 解き方

(1)の解答

導関数の定義 解答(1)

(2)の解答

導関数の定義 解答(2)

問題文に「定義に従って導関数を求めよ」と書かれていたら、このように解きます。

導関数の定義

 

8. 微分係数と導関数

  微分係数と導関数

「微分係数の定義」と「導関数の定義」を使わなければ、微分係数と導関数は簡単に求めることができます。

 

\( f(x) \) を微分したものを導関数

導関数に \( x=a \) を代入したものを 微分係数だったので

 

たとえば…

\( f(x)=2x^2+3 \)

 

導関数は \( f(x) \) を微分するので

\( f'(x)=4x \)

 

 \( x=2 \) における微分係数は \( x=2 \) を代入するので

\( f'(2)=8 \)

 

となります。

 

微分係数と導関数をまとめると

  微分係数と導関数_まとめ

 

9. 微分法の公式一覧

数学Ⅱ「微分法」で使う公式をPDF(A4)にまとめました。

演習の際にご活用ください。

公式

数学2 微分法 公式 まとめ 一覧

 

10. 微分係数の問題

数学Ⅱ「微分法」の教科書の問題と解答をプリントにまとめています。

教科書の問題は出版社によって異なりますが、主要な教科書に目を通し、すべての問題を網羅するように作っています。

ぜひチェックしてみてください。

 

-数学Ⅱ
-

© 2024 学校よりわかりやすい高校数学