このページでは、大学受験におすすめ参考書『青チャート(数研出版)』の解説をしていきます。
問題数や難易度、到達点や偏差値をわかりやすくまとめているので、参考書を選ぶ際の参考にしてください。
目次
1. 青チャートの基本情報
通称「青チャ」。
「チャート式」とは、網羅系の参考書の中で最も使用されており、高校数学の参考書を代表するシリーズです。学校の副教材としても配られています。
『青チャート』はチャート式の中で最も売れており、解法パターン暗記の辞書代わりに使っても、問題演習として最後まで使い込んでも使い勝手の良いベストセラーの参考書になります。
通称 | 青チャートIA |
タイトル | チャート式 基礎からの 数学I+A |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 672ページ[別冊解答448ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |
通称 | 青チャートIIB |
タイトル | チャート式 基礎からの 数学II+B |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 776ページ[別冊解答520ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |
通称 | 青チャートIIIC |
タイトル | チャート式 基礎からの 数学III+C |
出版社 | 数研出版 |
ページ数 | 736ページ[別冊解答632ページ] |
タイプ | 網羅系(インプット) |
2. 青チャートの難易度
チャート式は色で段階的にレベル分けされています。
白チャート<黄チャート<青チャート<<赤チャート
の順に難易度が高くなっています。
表紙 | レベル | 偏差値 |
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
|
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
|
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
|
【国立】 【私立】 |
【進研】 【全統】 |
偏差値は、1冊やりきるのに必要な数学1科目の目安です。
3. 青チャートの内容構成
チャート式は色によって、問題レベルの呼び方が異なります。
呼び方は異なりますが、基本的には同じ内容構成です。
基本例題1問に対して、類題1問。
発展例題1問に対して、類題1問。
章末に、EXERCISESという名前の入試演習問題。
プラスαで、『青チャート』と『赤チャート』は入試標準レベルの総合問題。
の構成となっています。
チャート式の内容構成
タイトル | 基本例題 | 応用例題 | 例題の類題 | 入試演習 |
白チャート | 基礎例題 | 発展例題 | EX | EXER |
黄チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
青チャート | 基本例題 | 重要例題 | 練習 | EXER |
赤チャート | 例題(青) | 例題(赤・黒) | 練習 | 演習問題 |
4. 青チャートの問題数
文系
タイトル | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
青チャートIA | 350題 | 350題 | 307題 | 1007題 |
青チャートIIB | 356題 | 356題 | 281題 | 993題 |
合計 | 706題 | 706題 | 588題 | 2000題 |
理系
タイトル | 例題 | 練習 | EXER等 | 合計 |
青チャートIA | 350題 | 350題 | 307題 | 1007題 |
青チャートIIB | 356題 | 356題 | 281題 | 933題 |
青チャートIIIC | 394題 | 394題 | 373題 | 1161題 |
合計 | 1100題 | 1100題 | 961題 | 3161題 |
『チャート式』が分厚くて挫折してしまう人は、『基礎問題精講』を何周も解いて入試問題の基礎レベルを身につけた後に、『1対1対応の演習』などの入試標準レベルにつなげた方がいいでしょう。
5. 青チャートの対象者
進研模試(ベネッセ) | 偏差値60~70 |
全統模試(河合塾) | 偏差値55~65 |
到達点(国立) | 上位国立 |
到達点(私立) | 上智理科大 |
偏差値65~70の高校 | 定期考査の数学が60点以上 |
偏差値60~65の高校 | 定期考査の数学が70点以上 |
偏差値55~60の高校 | 定期考査の数学が80点以上 |
偏差値50~55の高校 | 定期考査の数学が90点以上 |
自分の今の実力と志望する大学に合わせて、背伸びすることなく選ぶことが大切です。
決して、自分のレベルに合わない色を選ばないでください。
『白チャート』、『黄チャート』は、こちらで詳しく説明しているのでぜひチェックしてみてください。
『青チャート』は圧倒的な網羅性のため、その分厚さに毎年大多数の人が途中で挫折してしまいます。
受験は人生で1度きりのため、この教訓が生かされることなく、毎年大量の犠牲者が新たに出ます。
そこでチャート式は辞書的に使うことをおすすめします。他の問題集等でわからない問題に出くわしたときに、辞書代わり使ってください。
また、見栄や誤った情報に流されて、自分のレベルに合っていない色のチャート式を選択する人が跡を絶ちません。
チャート式が終わってから次の参考書に進むことを考えれば、自分に合った色を1冊完璧に仕上げる方が次の問題集に接続しやすく、1冊解き終えたという自信にもつながります。
『青チャート』を部分的にやる人より、『黄チャート』や『白チャート』を1冊完璧に仕上げた方が数学はできるようになります。
『青チャート』は
1冊やりきれる人
辞書的に使う人
におすすめします。
6. 青チャートと1対1対応の演習
『青チャート』はインプットするための参考書、『1対1対応の演習』はアウトプットするための実践的な入試問題集です。
到達点は、『青チャート』の「EXERCISES」と、『1対1対応の演習』の「演習題」が同じになります。『青チャート』の難易度の高い問題を集めたものが『1対1対応の演習』です。
『青チャート』を完璧に習得できれば、『1対1対応の演習』と到達点は同じになります。
被っている問題も多いので『青チャート』と『1対1対応の演習』の併用はおすすめしません。受験生には時間が限られているのでどちらも中途半端に終ってしまうでしょう。
どちらをやるべきか比較されますが、『青チャート』の難易度の高い問題を集めたものが『1対1対応の演習』なので比較できません。
2シリーズやり切る自信がある人は、『青チャート』の後に『1対1対応の演習』に接続してください。
2シリーズやり切る自信のない人は、『青チャート』以外の網羅系参考書を習得した後に『1対1対応の演習』に接続してください。
7. 青チャートと数学重要問題集
『青チャート』は『数学重要問題集』と連動しています。どちらも数研出版です。
『青チャート』はインプットするための参考書、『数学重要問題集』はアウトプットするための実践的な入試問題集です。
参考書の目的が異なりますので、『青チャート』と『数学重要問題集』はどちらをやるべきかという比較対象になりません。
『青チャート』や『標準問題精講』の網羅系参考書でインプットした解法を、『数学重要問題集』でアウトプットしてください。
出版社を数研出版で統一したければ『青チャート』を選択すると良いでしょう。
8. チャート式はいつから始める?
教科書レベルの基礎が定着したら、いつでも解き始めることができます。
受験勉強は、正しいレベルの参考書を選ぶことができれば、「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはありません。
3年生の夏休みからの購入はおすすめしません。遅くても3年生の夏休みまでには終えるようにしてください。
難関校を目指す人は、高校1、2年生の間にIAIIBを終え、次の参考書に進む学習計画を立ててください。
9. 青チャートを解く前は?
『青チャート』が難しく感じてしまう人は基礎が定着していません。新しい参考書を買う必要はありません。
高校の教科書や副教材で基礎を固めることから始めましょう。
10. 青チャートを解いた後は?
『青チャート』を何周もして習得したあとは、
『プラチカ』
『やさしい理系数学』
に進んでください。